~変革の時~ 
YCAビジネススクールⅢ 第7回

本日10時より、YCAビジネススクールⅢが開催された。
前段における経営戦略等の発表については、A法律事務所のパートナーである弁護士S氏が行った。

A法律事務所は、全国に3拠点を構え、直近10年間で5倍以上の規模に急成長しており、スタッフを含めると総勢120名以上の大型事務所である。社内にシステムエンジニアを数名抱え、データベースの一元化や標準化にも積極的に取り組んでいる。
様々な法律上の問題解決にワンストップで対応できるよう高い専門性と幅広い取扱業務を兼ね備えており、競合する大手の法律事務所との違いを明確にして、競争優位性の構築に注力している。
弊社も知的専門家集団として短期間で成長させていく戦略を想定しており、S氏の発表は大変刺激的でかつ参考となった。
今後、A法律事務所がビッグ4と肩を並べるまで成長していくためには、経営戦略力の向上、特にブランド戦略とヒトのマネジメントを含む組織戦略が鍵となるものと思った。

後段のテーマは、「組織のマネジメント」についてであった。

組織が成立するためには、①共通目的 ②貢献意欲 ③コミュニケーションが必要条件となる。組織はヒトの集まりであるため「ヒトを動かすアプローチ」が重要となり、権力や交換のみではない「共鳴によるアプローチ」が不可欠となる。経営者は、活動の目的や行動の理由を理解させ、心の共感による動機付けを行うことで、受動的でない自発的な行動を引き出すことを心掛けるべきである。また、「個人を行動に駆り立てるものは何か」、「どのようなプロセスで駆り立てるのか」の命題について真剣に理解するよう努めるべきであろう。

マズローの欲求段階説によると、人間は下位の欲求が満たされると更に上位の欲求を求めるようになる。

① 生理的欲求(食物、水などの生存に関わる本能的欲求)
② 安全の欲求(安定した状態にしたい・危険を回避したい)
③ 所属と愛の欲求(集団や社会に所属適合し、愛情・友情を充足したい)
④ 尊厳の欲求(他者から尊厳されたい、他者より優れていると認識したい)
⑤ 自己実現の欲求(自己の向上、自己の潜在的能力を実現したい)

段階的に欲求を引き上げていくと最終的に最上位の自己実現を欲することになる。自己実現したいという欲求を組織の原動力とするマネジメントができれば、確実に強い組織が構築されていく。即ち、ヒトの成長=組織の成長というマネジメントが重要となる。

また、ハーズバーグの動機付け理論(衛生理論)では、満足をもたらす要因として、達成感、承認、仕事そのもの、仕事の責任や昇進などがあり、これらが組織構成員の積極的態度を引き出すとしている。
逆に、不満をもたらす要因として、会社の方針、上司の監督、給与、人間関係、労働条件や作業環境などがあり、これらは職務不満を防止するが、組織構成員の積極的態度を引き出すにはほとんど効果がないとしている。
これらを理解せずに、間違った前提条件でヒトのマネジメントを行ったとしても組織運営はうまくいかないことを、会社経営者は肝に銘じるべきであろう。

この記事は 2009年 7 月 18日(土曜日) に投稿されました。
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