~変革の時~
YCAビジネススクールⅢ 第12回

本日10時より、YCAビジネススクールⅢが開催された。
前段における経営戦略等の発表については、急遽、発表者が新型インフルエンザで欠席したため、次回のテーマを前倒しして、「会議マネジメント」について解説し、討議を行った。

組織を特定の目的を達成するための人の集団と定義すれば、当然、人を動かすアプローチが不可欠となる。これには、権力によるアプローチ、交換によるアプローチ及び共鳴によるアプローチなどがあり、組織設計上、階層や人の能力等に応じて適切にバランスよく区分して運用することが求められる。

組織がある程度大きくなってくると、会議のマネジメント力により競争優位に明確な差が生ずる。通常、会議には多くの時間とコストが費やされている。ほとんどの場合、その目的や効果測定まで意識されることはない。
会議の目的には、報告、共有、問題解決、教育やコミュニケーションなど様々考えられる。目的を明確にし、効果を意識すると会議のムダ・ムラ・ムリが見えてくる。会議の多くは、報告、共有のみの効果しか生じていないのが現状だ。であれば人件費や旅費交通費などの多大なコストを費やすより、メールや文書又はグループウェアによる伝達で済ますか、スカイプを使ったテレビ会議等で十分だ。このように効果を意識して運営することで大きなコスト削減が期待できる。

会議の効果では、問題解決、教育及びコミュニケーション等を重視すべきだ。その成否は、グランドルールとファシリテーター(進行役)にかかっていると言っても過言ではない。ファシリテーターが中心となって適切な会議のマネジメントができるようになると、組織とヒトの両方の成長をもたらす。間違いなく競争優位の原動力になるはずだ。

これからの時代において求められるのは問題解決力や課題達成力である。そのため会議では、内容の可視化によって参加者の情報理解の食い違いに注意を配りながら、できるだけ多くのコンセンサス(合意形成)が必要となる。ヒトは、自分が納得した内容については共鳴し、能動的に行動を起こす。逆に、一方的に命令された内容については受動的になる。また、各種モニタリングだけではなく、会議を通じて問題意識や危機意識を醸成させることで、会社で起きている好ましくない状況に対する感度を上げ、継続的な改善を行う問題解決型の組織風土を構築することが可能となるであろう。

後段のテーマは、「マーケティング戦略」の4回目であった。
今回は、サービス業におけるマーケティングについて解説した。これは、無形財であるサービスを対象としたマーケティングであり、消費者向サービスと事業者向サービスがある。
消費者向サービスの例としては、余暇、レクリエーション、教養、娯楽、金融、保険、不動産などが、事業者向サービスの例では、人材派遣、警備、設備メンテナンス、調査企画、コンサルティング、情報処理、通信、輸送、保管、金融、経理、税務などがある。

サービス業の特性には次のものがあり、例えば、それぞれに掲げるようなことを留意して適切に対処しなければならない。
(1)無形性(非特定性)
形がなく、目で見たり触ったりできないため、サービスの有形性(可視化)を高める必要がある。
(2)品質の変動性(非均一性)
誰がそれを提供するか、いつそれを提供されるかによって、品質が異なる可能性が高く、質の均一性を保ちにくいため、マニュアルの整備、顧客アンケート、教育訓練を実施する。人が行っていた業務を機械化することで、迅速性や正確性を高める。
(3)不可分性
提供する人が必ずその場にいなければならない。つまり、生産と消費が同時に行われるため、一度に多数の消費者を相手にサービスを提供できる仕組みを作る。また、サービスを記録・保存する方法を構築する。
(4)消滅性(非貯蔵性)
生産と消費が同時に行われ、在庫することができない。
(5)需要の変動性
サービスの需要量は、季節、週、一日の時間帯によってかなり変動する。
需要管理の例としては、①時間割引や季節料金の導入 ②非ピーク時の需要の活性化 ③補完的なサービスを開発 ④予約システムの導入などがある。
供給管理の例としては、①パートタイム従業員の活用 ②供給効率を高める ③セルフサービスの導入 ④共同購入による供給設備の共有 ⑤拡張を狙った投資などがある。
以上のように、サービス業においては、製造業や小売業等とは異なった事業特性がある。このことを十分に理解した上で、経営者は各種戦略を立て持続的な競争優位を追及していくべきであろう。

この記事は 2009年 12 月 19日(土曜日) に投稿されました。
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