YCAビジネススクールⅢ 第14回目(白垣)
本日、YCAビジネススクールⅢの第14回目が開催された。
前半部は、藤原直哉氏のセミナー概要報告、後半部は人事マネジメント第1回であった。
新興国の台頭、石油エネルギー依存型の転換、基軸通貨ドルの信用力低下等、世界は政治・経済の新しい時代への過渡期を迎えている。また、国内の企業に目を向けると、国内需要の減少を補うため、リストラクチャリングを目的としたグループ内再編や生き残りをかけた戦略的アライアンス、M&Aなど様々な業界再編が起きている。
GDPや労働人口等の推移を観察すると、強い国内消費に支えられた日本の成長期は1990年代に終焉を迎え、新しい時代への対応は20年前から求められていたことがわかる。グローバル化した現在ではそれが顕在化しただけに過ぎず、抱える問題は変わっていないように思う。
ヒト、モノ、カネの経営資源のうちモノ、カネ重視の技術的、科学的アプローチで邁進してきた結果、コスト削減や選択と集中では追いつかないほどの需給ギャップが目の前の現実である。
日本の高度成長期の原動力は、個人消費の拡大であり、それを支えたものが年功序列や終身雇用制度であった。真面目に働きさえすれば、出世する確率も高いため、仕事に対するモチベーションが維持された。そして、組織への貢献意欲が芽生え、教育を通じた上司との信頼関係が構築され、組織が一枚岩となることができた。しかし、成熟期という新しい時代においては、年功序列や終身雇用制度は成長期のように機能せず、その反動として導入された成果主義も組織を強固に結びつける手段となりえなかった。
組織の原点は「個人では達成できない仕事を、複数の人々の協働により実現すること」である。IT環境など情報網が発達した現代ではモノ、カネで競争優位性を見出すことは至難の業であり、社会との結びつきを強く意識した上で、目標を共有し、それぞれが創意工夫することで外的環境に適応するしか手段はない。無限の伸びしろがあり、新しい価値を創造し、新しい時代を切り開くことができるのは、結局ヒトしかいない。
それぞれが積極的に学習し貢献する仕組みや風土づくり、そして、その学習の軸となる組織の基本理念を見つめ直す必要がある。原点に戻り、各人が学習することで高度かつ専門的な知識を高め、それぞれの知識を有機的に結びつけ成果につなげることがマネジメントの役割ではないだろうか。