~変革の時~
YCAビジネススクールⅢ 第16回

本日10時より、YCAビジネススクールⅢが開催された。

前段の発表については、司法書士法人A社のO氏が「クレドと人事考課」をテーマに行った。同社は東京と福岡にオフィスを開設し、総勢50名を超える九州最大の司法書士事務所へと急成長を果たしている。

今回の発表でO氏は、スタッフが急激に増えたことを受けて、バリュー(共通価値・行動指針)を中心に全所員で取り組んでいるクレド作成について具体的に説明した。クレドとはラテン語で信条、志という意味で、現在、経営理念・行動指針として多くの企業で使われている。

次に、同社の人事戦略について、実際に使っている人事考課表を基に詳しく説明された。目標管理制度(MBO)を前提とした人事評価で、社員区分や面談も実態に合わせて、適切に運用が行われており、類似する専門家集団を統制する立場として大いに参考となった。人事評価は、(1)基準の明確化 (2)区分間公平性 (3)法的要件の充足を意識した社員区分により的確に行わなければならない。特にその運用に当たっては、公平性及び納得性を確保するために評価する側のスキル向上が必要であり、考課者訓練と考課項目等の継続的な改善がポイントとなる。

後段のテーマは、「人事マネジメント」の3回目であった。

組織が大きくなるにつれて、分業化・専門化が必要となる。そこで戦略的に組織運営するためには大幅な責任と権限の委譲が要求されるが、多くの中小・中堅企業では会社の重要機能や権限・責任などの大半が創業代表者等に集中したままである。ただ、2~30人位までの小さな組織では、経営者によるトップダウンの方が環境変化に迅速に適応でき、うまく機能するケースが多い。逆に、権限委譲を進め過ぎて脆弱化しているケースすら多数存在する。権限委譲する前提としては、同等の責任も委譲されなければならないが、これらのケースでは、組織の仕組みが理解されておらず、かつ十分な教育もなされていないため、権利のみが台頭することが主な原因ではなかろうか。

一定規模以上の組織拡大や円滑な事業承継等を志向するならば、大幅な責任と権限の委譲を行い、3段階以上の階層と業務の形式化・標準化等を適切に機能させなければならない。そのためには、人事マネジメントが鍵であり、特に経営トップの下の階層をきちんと機能させること、つまり、管理者教育を十分に行わなければならないことは言うまでもない。常に経営者は、環境適応できる適切な組織が構築されていない規模の拡大は、成長ではなく肥大であることを肝に銘じるべきであろう。

この記事は 2010年 4 月 17日(土曜日) に投稿されました。
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