YCAビジネススクールⅢ 第17回目(白垣)

本日、YCAビジネススクールⅢの第17回目が開催された。
前半部は、平成22年度税制改正の解説等、後半部は人事マネジメント第4回であった。

平成22年度税制改正においては、平成22年10月1日以降、法人税において2つの大きな改正が予定されている。(一部平成22年4月1日施行)
(1)グループ法人税制
(2)清算所得課税の廃止
グループ法人税制については、連結納税における完全支配関係よりも適用範囲が広く、外国法人頂点グループ間及び個人頂点間グループも対象となる。ただし、寄附金の損金不算入及び受贈益の益金不算入の対象については、「完全支配関係(法人による完全支配関係に限る)」と規定されており、連結法人間の寄附金と同じ内国法人頂点グループ間のみが対象となる。この適用対象法人の違いは、個人株主の相続税評価額に与える影響を鑑みたものと思われる。また、資産の譲渡等に係る譲渡損益の繰延と寄付金の規定いずれにも共通する論点は、当該資産の時価の妥当性である。
清算所得課税の廃止については、一定の場合における未処理欠損金使用など実質債務超過会社の清算に対する配慮があるものの、完全支配関係間では子会社株式消滅損を計上できないこと等、再生案件において慎重な検証を要することとなる。また清算所得課税の廃止に伴って、財産評価基本通達186-2「評価差額に対する法人税額等に相当する金額」(いわゆる42%控除)が今後どのように取り扱われるのか注目されるところだ。当該規定の基本的な考え方は、清算時との整合性であるため、その控除自体の理論的背景を失った現行法では今後の改正や廃止も視野に入れておかねばならないだろう。

世界的な貨幣(決済手段)の信用力低下や一部の新興国を除く実体経済の停滞など企業を取り巻く環境は厳しく、回復基調を描く企業においても実態は、過度なリストラや経費削減など将来に対する不安感は依然として残っている。
また、会計に目を向けても、もてはやされてきた時価会計は、測定困難な事象に対して一定の論理で導き出した数値に過ぎず、その実態を正確に現すものではない。時価会計は企業のためというより、投資家のための会計であり、IFRSも結局は、企業のためのものではない。ある程度予測可能な経済環境下で進化した理論も現在のような不確実性の高い時代にあっては、さほど役に立たず、忘れ去られてきた「環境への適応力」こそが重要な能力となる。
貨幣にしても時価会計にしてもベースとなる信用や信頼があるからこそ機能してきた。しかし、その信用や信頼が揺らぎつつある現代において求められる価値とは、皮肉にも実行力や人間力、といった測定不可能なものである。

この記事は 2010年 5 月 15日(土曜日) に投稿されました。
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