相続税の増税(案)

商工会議所NEWSの平成23年2月号税務Q&Aに「相続税の増税(案)」が掲載されましたのでご紹介します。

Q 相続税が増税されるそうですが、その具体的内容を教えて下さい。

A 昨年12月に公表された平成23年度税制改正大綱において、相続税の再分配機能の回復及び格差の固定化防止による相続税の負担の適正化と、併せて子や孫などが受贈者となる場合の贈与税の税率構造の緩和、受贈者に孫を加えるなど相続時精算課税制度の対象範囲の拡大を行い、高齢者の保有資産の若年世代への早期移転を促し、消費拡大や経済活性化を図る観点から、次に掲げる措置を講じるとしています。

(1)相続税の課税ベース及び税率構造の見直し
① 基礎控除額が、現行の5千万円+法定相続人数×1千万円から、3千万円+法定相続人数×600万円に引き下げとなります。これにより、相続税の課税が生ずるケースが大幅に増加するものと見込まれますので、特に注意が必要です。
② 最高税率を50%から55%に引き上げ、税率構造は図表2のように6段階から8段階とされます。5千万円超1億円以下(30%)までの税率は変わりませんが、改正後は2億円以下の金額40%、3億円以下45%、6億円以下50%、6億円超55%というように、最高税率及び高課税価格帯の税率の引上げによって、遺産額の大きい場合を中心に資産再配分の機能回復が図られることになります。
③ 死亡保険金の非課税限度額は、5百万円に乗じる法定相続人の数が「未成年者、障害者又は相続開始直前に被相続人と生計を一にしていた法定相続人」の数とされ、未成年者控除と障害者控除は6万円が10万円に引き上げられます。
(注)上記の改正は、平成23年4月1日以後の相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用されます。

(2)贈与税率構造等の見直し
① 贈与税の最高税率も50%から55%に引き上げられますが、生前贈与による子や孫への財産移転を促進するため、20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた場合の税率が緩和されます。図表2①のように、1千万円以下の金額に対する税率40%が30%に、1千万円超の金額50%は、1,500万円以下40%、3千万円以下45%、4,500万円以下50%、4,500万円超55%となり、一般の贈与税率(図表2②)と区別されることになります。
② 相続時精算課税についても、現行では推定相続人のみとされている受贈者の範囲に20歳以上の孫が加えられ、贈与者の年齢要件も65歳以上から60歳以上に拡大されます。
③ 平成22年度改正で拡充された住宅取得資金の贈与に係る措置法特例については、住宅の新築に先行して敷地用の土地を取得する場合の資金が追加されます。
(注)上記の改正は、23年1月1日以後の贈与により取得する財産に係る贈与税から適用されます。

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この記事は 2011年 2 月 8日(火曜日) に投稿されました。
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