消費税の課税強化(案)

商工会議所NEWSの平成23年3月号税務Q&Aに「消費税の課税強化(案)」が掲載されましたのでご紹介します。

Q 消費税の課税強化が図られるそうですが、その内容を教えて下さい。

A 消費税の免税事業者が課税事業者を選択した場合等において、百万円以上の調整対象固定資産の仕入れ等を行ったときは、その仕入れ等の日の属する課税期間の初日から3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間については事業者免税点制度が適用できないとするなどの税制改正(平成22年4月号参照)が昨年度行われましたが、更に平成23年度税制改正において、消費税につき以下の見直しを行うとしています。

Ⅰ 免税事業者の要件の見直し
課税事業者の判定は、これまでは基準期間の課税売上高のみで行われてきましたが、以下のとおり、今後は前事業年度の6月間(特定期間)の課税売上高が1千万円を超える事業者も免税事業者の対象から除かれることになります。
(1) 個人事業者のその年又は法人のその事業年度につき現行制度において事業者免税点制度の適用を受ける事業者のうち、次に掲げる特定期間の課税売上高が1千万円を超える事業者については、事業者免税点制度を適用しないこととされます。
① 個人事業者のその年の前年1月1日から6月30日までの期間
② 法人のその事業年度の前事業年度(7月以下などの短期事業年度を除く)開始の日以後6月の期間
③ 法人のその事業年度の前事業年度が短期事業年度の場合で、その事業年度の前1年内に開始した前々事業年度があるときは、当該前々事業年度の開始の日以後6月の期間(当該前々事業年度が6月以下の場合には、当該前々事業年度開始の日からその終了の日での期間)
(2) (1)の適用に当たっては、事務負担等を考慮して、(1)の課税売上高に代え所得税法に規定する給与等の金額に相当するものの合計額を用いることができることとされます。
(3) (1)に該当することとなった場合にはその旨の届出書を提出することとする等の所要の措置を講じられます。
(注)上記の改正は、上記のその年又はその事業年度が平成25年1月1日以後に開始するものについて適用されます。

Ⅱ 仕入税額控除の見直し
消費税の納付税額の計算は、原則として預かった消費税から、支払った消費税のうち課税売上に対応する部分を控除して算定されますが、課税売上割合が95%以上の場合に、課税仕入れ等の税額の全額を仕入税額控除できる現行制度については、その課税期間の課税売上高が5億円(その課税期間が1年に満たない場合には年換算)以下の事業者に限り適用することとされました。そのため、その課税期間の課税売上高が5億円超の事業者については、必ず個別対応方式又は一括比例配分方式のいずれかにより計算することが要求されることになります。
個別対応方式を採用する場合には、課税仕入れ等の税額を課税売上のみに要するもの、非課税売上げのみに要するもの及びその両方に共通して要するものの3つに区分する必要があり、実務上、会計処理が煩雑になることが予想されます。
また、一括比例配分方式は、課税売上割合を算定すれば計算できる簡易的な方法ですが、2年間の継続適用が義務づけられているため、採用に当たっては複数年での検討が必要となりますので特に注意が必要です。
(注)上記の改正は、平成24年4月1日以後に開始する課税期間から適用されます。

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この記事は 2011年 3 月 7日(月曜日) に投稿されました。
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