~変革の時~
若手行員との勉強会開催

本日10時より、弊社において某金融機関の若手行員に対する勉強会を開催した。今回も最後まで前向きで活発な議論が交わされた。

前段は、藻谷浩介氏の著書「デフレの正体」の内容を説明し、その後、今後の日本経済について討議を行った。

同著では、「景気の波」を打ち消すほど大きい「人口の波」のインパクトについて詳細に解説がなされている。日本は国際経済競争において経常的に貿易黒字を計上し続けているが、その資金余剰が内需に向かわずに、貯蓄と海外投資等にまわっている現状を注視しなければならない。1990年後半からの長きに渡る内需不振の根本原因は、現役世代の減少による消費低迷であり、今後の最重要課題は、「生産年齢人口の減少」と「高齢者の激増」にいかに対処するかであるとしている。そのためには、技術開発と内需振興を同時に行う必要があり、生産年齢人口の減少という課題に真剣に取り組むしかない。今後5年間に団塊世代の1000万人以上が65歳以上になるが、政治や経済が適切に対処しなければ、日本の内需不振は今後更に深刻化することになるだろう。

また、同氏は出生率上昇では生産年齢人口の減少を止めることはできず、外国人労働者受入れでも事態は解決しないとしている。これら課題達成のために以下の提言を行っており、日本が本気で取り組まなければならないのは間違いないだろう。
① 高齢富裕層から若者へ所得移転を進める。
② 女性の就労と経営参加を当たり前にする。(現役世代の専業主婦の4割が働くだけで団塊世代の退職は補え、若い女性の就労率が高い県ほど出生率も高い。)
③ 労働者でなく外国人観光客・短期定住客の受入を積極的に行う。
④ 高齢化における安心・安全の確保のため第一に生活保護の充実を図る。
⑤ 年金から「生年別共済」への切り替えを検討する。
⑥ 戦後の住宅供給と同じ考え方で進める医療福祉分野の供給増加を図る。

後半のテーマは「資格取得のための戦略の立て方」であった。

当勉強会は、各種資格取得を目指す方が多く以前より要望が多かったため、今回は難易度の高い資格取得のための戦略についてマインドマップを用いて詳しく解説を行った。筆者は、税理士受験校で10年近く指導に当たっていた経験もあり、その受験ノウハウを中心に説明したが、その戦略・戦術等はビジネスの現場と何ら変わらない。暗記中心で多くの時間をかけることでどうにか合格できるような勉強方法では、実務では全く役に立たないことを肝に銘じるべきであろう。資格はあくまでも免許証に過ぎず、合格した後がスタートラインである。それから、経済的成功や自己実現等を達成するため、資格自体を活用すべきである。これまで数多くの資格取得者を見てきたが、前述のような資格取得のプロセスを採ってこられた方は、ビジネスの現場であまり成果を出せていないようだ。資格取得が目的になっているようでは、所詮人生に与えるインパクトは極めて限定的と言わざるを得ないだろう。

この記事は 2011年 4 月 2日(土曜日) に投稿されました。
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