今年一年を振り返って

早いもので今年も残すところ、あと僅かとなった。
この1年を振り返ってみると、欧米が金融緩和の出口を模索している中、デフレ脱却のスローガンのもと行っているアベノミクスと、黒田日銀総裁が今年10月末に発表した追加の金融緩和は、明らかに世界の潮流と逆行しているように思える。世界経済の悪化や不透明感、米露等の経済戦争などのせいか、原油価格及び鉄鉱石などの商品相場が大幅に下落している。そのおかげで少しは貿易赤字が緩和されているが、これからも円安圧力によって、輸入物価の上昇に伴う資産インフレは不可避となるだろう。

日本の構造的な問題は大きな需給ギャップにあるので、我が国の財政再建はこれらを前提とすべきである。つまり、供給を減らすことと需要を増やすことを同時に行わなければならない。しかし、2013年より団塊世代が順次65歳に達し、急激な生産年齢人口の減少は既に始まっているため、今後も需要の減少を食い止めることは、不可能と考えて間違いないだろう。

その一方で、リーマンショック後に緊急避難的に実施された中小企業金融円滑法や各種制度融資と、猛烈な金融緩和の結果、依然として供給はそのまま維持され、大きな腫瘍となって拡大し続けている。これらは、日銀の国債取得によって賄われているため、いずれ日銀が国債を発行できない臨界点に達したときに、その国債バブルはいっきに崩壊し、実質的に国民で負担する羽目になるのだろう。

また、この15年間で25歳以下の生産年齢人口は約40%、35歳以下のそれは約23%も減少しており、アベノミクスのミスリードと相まって、従来の労働市場は完全に崩壊してしまった。この急激な変化に適応できなかった、数多くの内需主体の業種の淘汰は既に始まっている。ほとんどの内需主体の民間企業は、その厳しい逆境にもがき苦しんでいる。結果として、数多くの国内企業は、事業譲渡、倒産や廃業等に追い込まれていくことになるだろう。

パラダイムシフトは、変化を大きく後押しすると言われており、不安定な経済環境は、改革を促進させる。現在の日本経済の環境下で、企業が存続し、かつ成長していくためには、その環境変化に迅速に適応していくことはもちろんのこと、輸出、海外展開や内なる国際化を進めていくことが不可欠になってくると想定している。また、ドラッカーが考えていたように、これからはIT技術等を駆使した人力を必要としない機械化や自動化が急速に進展していくだろう。これからは、より高い付加価値を求められる時代に突入していくことになり、その所得格差の拡大はますます顕著になっていくだろう。そして、韓国で現在起こっているような様々な問題が、日本においても健在化していくに違いない。

このような著しい環境変化への適応に苦慮することが想定される中小・中堅企業を積極的に支援するため、弊社においては、本年10月に成長企業支援組織であるCBI(Circle on Business Innovation)第2弾を開始し、その活動を拡大させている。この取組みは定例発表会(事業計画や経営戦略の発表の場)を通じて、参加企業の気づきやイノベーション等を促進させることと、当社と共に参加企業の経営者がプロジェクト組織を通じてハンズオンで問題解決等を行っていく過程で大きく成長することによって、九州経済の発展や地域社会への貢献に寄与することを目的としている。来年以降も、CBIを年一のペースで発足し、その影響力の拡大を図りたいと考えている。

筆者が大学を卒業して約25年目(4半世紀)が経過した。私が18歳の時に父は亡くなったが、病弱でとても家庭は貧しかった。私自身も未熟であったため、その家庭環境や働かない父親に強く反発して、高校一年わずか16歳の時に家を飛び出して、一人暮らしを始めた。それでも、夜間に様々なアルバイトをしながら、一切の生活費や学資の支援なしに、どうにか大学まで卒業することができた。私は人一倍負けず嫌いの性格なので、学生時代は、同級生にだけは負けたくないという強いコンプレックスを抱えていた。しかし、たくさん勉強したいという想いとは裏腹に、学生アルバイトでは、学費と生活費を稼ぐのがやっとの状況であったため、学生時代は十分に勉強をすることもできず、ものすごいフラストレーションを溜めていたので、楽しかったという記憶はほとんどない。

しかし、その思う存分勉強したいという枯渇心が、大学卒業後25年間、継続的に学習を続ける原動力になった。今、過去を振り返ってみると、働かない父親と家が貧しくて勉強できる環境がなかったことと、働かなければ食べていけない状況に置かれ、3Kと言われる仕事をたくさん経験できたことが、私にとっては最もよかったことだと確信している。今は、そのような境遇に生まれたことを心から感謝できるようになった。とてもやりがいがあり、社会に大きく貢献できる仕事を行えるありがたさを、本当に感謝し、充実した日々を噛み締めている。その反面、今の豊かな日本の子供たちは、本当に恵まれているのかどうか疑問に思うことも多くなった。中国、タイ、ベトナム、マレーシアやフィリピンなどアジアの方々と話す機会があるが、日本人と比較して、彼らは一様にハングリーでとても野心的である。日本の将来は本当に大丈夫なのか、とても不安に感じることがあるのは私だけだろうか。

筆者は、毎年年始に①業務目標 ②自己啓発 ③健康管理の三つの観点から目標設定を行っている。業務目標は、想定どおり達成することができ、今年も大きな成長を実感することができた。逆境は大きければ大きいほど成長機会は多いので、来年以降も前向きに捉え、果敢に挑戦し続けていきたい。

弊社においては、私自身と組織の環境適応のため、約5年前より、戦略的に専門業務やコンサルティング等の比率を上げてきた。そのため、税務や財務中心での規模拡大戦略を見直し、同業他社とは各種コンサルティングによる明確な差別化を図っている。その一環として、中小企業診断士の資格を取得、一昨年4月よりMBAの学習を開始し、今年の3月に無事に卒業することができ、晴れてMBAホルダーとなった。その2年間で新たな付加価値と圧倒的な競争優位を獲得することでき、とても満足している。QBSの講義内容とその教授の方々のレベルはとても高く、大変感動できるものであった。卒業後の4月以降も、そのリカレント制度を利用して、国際経営、ビジネス統計及び異文化コミュニケーション(英語)の講義を受講した。どれもタフで大変素晴らしい内容であった。

また、将来においてアジアでのビジネス展開を想定し、昨年に引き続き英語力強化のためのTOEIC受験を行った。目標点数までもう一息のところまでスコアアップが図れた。今年の9月より、毎日早朝にインターネット英会話のレアジョブを習慣化し、これまで一日も休まずに続けている。既におよそ100レッスンを受講した。平日は朝6時半に出社して、1時間半の勉強時間を捻出、休日は6時間以上の学習時間を確保し、今年も最後までやり通すことができた。

健康管理については、折れない心と強靭な肉体を維持することを継続的な目標としているが、今年も7kmを30分以内で走れる持久力と、懸垂については30回以上できる筋力を維持できている。現在のBMIは22、体脂肪率13%前後と目標数値も達成することができた。土日祝日と平日一回は必ずスポーツジムに通うことを習慣化し、この一年間もやり通すことができた。

常に望ましい姿をイメージし、現実とのギャップを埋めるための課題を設定し、それを達成するための行動を選択(習慣化)することで、どんな高い目標も達成でき、なりたい自分になれると信じて疑わない。最後に、今年もとてもよい年だったと思う。本当に、素晴らしいクライアント、仕事やスタッフ等との出会いにも恵まれ、大きく社会に貢献できている達成感を実感している。来年も再来年も更に成長できるよう、このよい習慣を継続していきたい。

この記事は 2014年 12 月 25日(木曜日) に投稿されました。
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