今年一年を振り返って

早いもので今年もあと僅かとなった。孔子は、晩年に自分自身を振り返って「吾十有五にして学に志す、三十にして立つ、四十にして惑わず、五十にして天命を知る、六十にして耳順う、七十にして心の欲する所に従えども、矩を踰えず。」と回想している。これを現代語にすると、「私は十五歳になったとき、学事に心が向かうようになった。三十歳に至って独りで立つことができた。やがて四十歳のとき、自信が揺るがず、もう惑うことがなくなった。五十歳を迎えたとき、天が私に与えた使命を自覚し、奮闘することとなった。その後、苦難の道を歩んだ経験からか六十歳ともなると、他人のことばを聞くとその細かい気持ちまでわかるようになった。そして、七十のこの歳、自分のこころの求めるままに行動をしても、規定・規範からはずれるというようなことがなくなった。」となる。
私もこの年齢になって、自分自身の人生の意味について頻繁に瞑想するようになり、孔子の言葉が心に深く響くようになった。まさにこれからが私自身の人生の重要局面に入ってきたと自覚できるようになった。

この1年を振り返ってみると、世界は中東のみでなく、アフリカ、EU、アメリカやロシアなどを巻き込んだ世界的な憎しみの連鎖に晒され、テロの恐怖と常に隣り合わせになった。そのような中、世界経済は行き過ぎた金融緩和の出口の見えない状況と格差の拡大に混迷を極め、全く想定されていなかったイギリスのユーロ離脱決定、アメリカ司法省による巨額の和解金請求とデリバティブ取引が原因と思われるドイツ銀行の経営危機やイタリアの金融危機勃発、いつ弾けてもおかしくない中国の不動産バブルや不良債権問題、トランプ氏のアメリカ大統領選挙の勝利など、大きな変化の兆しが見えだしている。ポピユリズムやナショナリズムが台頭し、グローバル資本主義の矛盾に対して、まるで新たな秩序を模索しているようだ。

一方の日本経済は、日銀によるマイナス金利の導入やETFの買付け拡大の影響等によって、金融市場は官製相場へと変貌した。年初来、大幅な円高が進展していたが、トランプ氏の勝利以後、反対に急激な円安となった。日本の政府総債務残高(国・地方自治体・社会保障基金の債務として、公債や借入金などが含まれる。)は1200兆円を大幅に超え、日銀による国債保有残高は既に400兆円を超えている。いよいよ国債バブルという出口政策のない局面に入ってしまったようだ。また、GPIFが日本株の運用比率を12%から25%に引上げ、生保や日本郵政グループ等の投資方針変更も日本の金融市場を完全に歪めてしまった要因だ。ブルームバーグの集計によると、8月初旬時点で日経平均株価を構成する225銘柄のうち、75%で日銀が大株主上位10位以内に入っており、18年末には筆頭株主となる会社が82銘柄と全体の3分の1を上回る見込みである。つまり、金融緩和を終了して、日銀が国債やETFを売却すると、国債や株式が大暴落することは不可避であろうから、当面は保有し続けるしか選択肢はない。不動産市場においても、都市部では利回りが3%を切るような新築物件があり、完全なバブルと言えよう。仮に金利が上昇したら、確実にそのバブルが崩壊するのを歴史が証明している。ただ、金利が大幅に上昇すると、その金利負担で国家財政が破綻しかねないし、国債の大半を日銀が保有しているため日銀が債務超過に陥ることから、金利を上げるというカードは積極的にとれないだろう。結果として、どうしても金利を上げざる得ないほどの資産インフレの局面まで、現状の金融緩和が続くのかもしれない。いつ弾けるかわからない、そのとてつもなく大きな膿は、さらにマグマのように蓄積していくことになるのだろうが、いつかは必ず崩壊することになるので、その時でも事業継続できるための戦略や対策構築と、十分な体質強化等の努力を怠ってはならない。

日本における人口減少・高齢化社会の到来は、労働人口の急激な縮小による内需の急減と労働市場の崩壊及び増え続ける社会保障費という形で、現実の経済において顕在化した。従来の成功パターンは、全く通用しないことを肝に銘じる必要がある。これからビジネスで成功するためには、その前提条件を疑わなければならない。日本のマーケット市場は大きな転換期を迎えており、これから起こるであろ事業者数の激減と地銀再編等を前提に、国内でのビジネスは戦略を立てなければならないだろう。日本の構造的な問題は大きな需給ギャップにあり、今後も需要の減少を食い止めることは、もはや不可能であり、数多くの国内企業は、事業譲渡、倒産や廃業等に追い込まれていくことになるものと思われる。それを裏付けるようにM&Aや組織再編、事業再生などが急増している。現在の国内マーケットが、かろうじて維持されているように見えるのは、外国人観光客による消費、公共事業や助成金によるものであり、自律的な需要ではない。これらはいずれなくなる可能性が低くないので、そこに依存しすぎたビジネスモデルは、いずれ淘汰されることになると思われる。

筆者は、毎年年始に①業務目標 ②自己啓発 ③健康管理の三つの観点から目標設定を行っている。業務目標は、想定どおり達成することができ、今年も大きな成長を実感することができた。特にバランス・スコアカードによるマネジメントを推奨し、数多くの関与先に提案・導入を行った結果、その成長に大きく貢献できたものと確信している。昨年に引続き、今年も200回近く各種セミナーやワークショップ等を実施した。

私自身、弊社におけるアジアでのビジネス展開を想定し、昨年に引き続き英語力強化のためのTOEIC受験を行った。今年も10回すべてを受験したが、目標点数には僅かに届かなかった。一昨年の9月より、毎日早朝にインターネット英会話のレアジョブを習慣化し、既に826レッスンを受講した。また、今年は考える力を強化するため、ビジネススクールのグロービスでクリティカルシンキングを、国際ビジネスの理解を深めるため、QBSで国際ロジスティクス(英語のみ)の講義を受講した。いずれも、とてもタフで素晴らしくハイレベルな内容であり、さらに能力が高まったことを実感できている。平日は朝6時半に出社して、1時間半の勉強時間を捻出、休日は6時間以上の学習時間を確保し、今年も最後までやり通すことができた。

健康管理については、折れない心と強靭な肉体を維持することを継続的な目標としている。8月にクライアントから初めて富士山に登る機会をいただいたことを機に、登山を習慣化することにした。初めての富士登山は5合目から3時間50分で登頂することがができた。富士登山のために6月に始めた宝満登山は、年末までに19回を数えた。登山は、肉体だけでなく、精神の鍛錬にもつながり、かつ、未稼働の遺伝子にスイッチが入るように思え、
明らかに体質の変化も見られた。上りの目標タイムは50分、下り30分と設定していたが、いずれも達成することができた。現在のBMIは22、体脂肪率12%前後と目標数値も達成することができた。土日祝日と平日一回は必ずスポーツジムに通うことを習慣化し10年目になるが、この一年間もやり通すことができた。

この世のすべては、原因と結果の法則、つまり、因果律によって成り立っている。正しい行動を習慣化することで、自分自身のDNA(遺伝子情報)が書き換えられ、自ら望ましい運命を築くことができる。常に望ましい姿をイメージし、現実とのギャップを埋めるための課題を設定し、それを達成するための行動を選択(習慣化)することで、どんな高い目標も達成でき、なりたい自分になれると信じて疑わない。最後に、今年も成長を感じられるとてもよい年だったと思う。とても素晴らしいクライアント、仕事やスタッフ等との出会いにも恵まれ、大きく社会に貢献できている達成感を実感している。来年も再来年も更に成長できるよう、このよい習慣を継続していきたい。

この記事は 2016年 12 月 28日(水曜日) に投稿されました。
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