~変革の時~
日本経済について考える
本日、経済アナリスト藤原直哉氏のセミナーに参加した。
講演テーマは、「世界と日本で今起こっていること」であった。
現在、世界全体で急激な経済環境の悪化が進行している。
今月の衆議院選の結果によっては、日本経済の抜本的な構造転換が加速することになるだろう。決して楽観視できない状況であり、筆者も関与先企業の存続に貢献できるよう世界経済の変化に対する感度を上げていく必要性を強く感じている。
世界的な金融危機の影響により、アメリカに対する輸出が事実上半減した。日本経済はアメリカに対する輸出に依存しない経済への転換が迫られている。
景気回復の名の下にドルの増刷が続くと、アメリカでもハイパーインフレの懸念が強まる。仮にドルを機軸とする国際的な通貨システムが崩壊した場合には、新しいルールが生まれることになるであろう。
仮にそうなった場合には、我が国における経済構造の大転換は避けられないため、今後ともその動向を注視していきたい。
先日公表された完全失業率は、5.4%(約356万人)と過去最悪であった。更に企業内失業者については1年前の38万人から607万人に急増しており、雇用調整給付金等により一部雇用が継続できているものの、仮にこのまま景気が回復せず企業内失業者がすべて失業した場合には、完全失業率がおよそ15%という数字になってしまう。また、国内企業物価指数についても前年比△6.6%とデフレが過去最高水準で進行している。
これら統計データを鑑みると、個人消費や企業の設備投資が短期的に回復することは考えにくい。
日銀や政府等が連日景気回復の兆しが見えてきたと発表し、それに呼応するように日経平均株価も1万円を超えてきていた。しかし、アメリカの旺盛な購買力が今後復活するとは思えない。頼みの綱である中国の成長が途絶えた場合、更に世界的な経済収縮が継続する可能性が高い。
しかし、どのような悪環境の下でも経営者は、会社を倒産させない責任がある。何としてでも生き延びていかなければならない。大きく縮小していく経済の中で厳しい競争に勝ち残るためには、贅肉を削ぎ落とし、これまで以上に付加価値を創造し続けなければならない。
現在のような大不況の時には、問題や課題を抱える企業及び消費者が多いのは間違いない。世の中の役に立つことに徹すること、顧客の問題・課題解決に真剣に取り組んでいくで本当の強い企業に変革できる。
社会に貢献できる企業にとっては更に大きく飛躍・成長できる絶好のチャンスに違いない。