~変革の時~
日本経済について考える
本日、経済アナリスト藤原直哉氏のセミナーに参加した。
講演テーマは、「世界と日本で今起こっていること」であった。
今年8月末の衆議院選で民主党が圧勝し、鳩山政権が誕生した。矢継ぎ早に新政策を打ち出し、抜本的な構造改革を加速させている。今回の総選挙は明らかに民意が改革を選択した結果であるから、今後、民主党の政策に国民が失望した場合には参議院選で大敗することになるだろう。仮にそのような事態になれば、2大政党による均衡が崩れ、政治や経済が混沌とすることが予想され、ハイパーインフレの懸念が拡大することになる。決して楽観視ができない現況であり、我が国を取り巻く経済変化に対する感度を上げていく必要性を強く感じている。
アメリカでは、景気対策の名の下にドルの増刷が続き、機軸通貨としての信用が揺らいでいる。全世界的に国際的な通貨システムにおける新しいルールを模索し始めている。長期的には見ればアメリカの地位は失墜していき、ドル安傾向は避けられないものと想定されている。我が国もアメリカに依存した経済構造の大転換が不可欠となる。急速な少子高齢化による人口動態の変化の中で、内需拡大のみでは年金制度を含む我が国経済の維持は困難であるため、早急に東アジア圏を中心とした政治経済へと再構築していくことが最重要課題であろう。
第173回国会における鳩山内閣総理大臣所信表明では、戦後行政の大掃除と題して、政治と行政に対する国民の信頼を回復するために、「組織や事業の大掃除」、税金の使い途と予算の編成のあり方を徹底的に見直し、「人間のための経済」を実現するために、地域のことは地域に住む住民が決める活気に満ちた地域社会をつくるための「地域主権」改革を断行すると演説した。その内容は、戦後行政の訣別と日本経済のパラダイム転換を意味している。東京集中の経済・霞ヶ関中心の政治から、地方主権の政治・経済へ転換し、我が地元九州が地の利を生かして、東アジア経済圏の中心へと発展していくことを願ってやまない。