~変革の時~
若手行員との勉強会開催

本日10時より、弊社において某金融機関の若手行員に対する勉強会を開催した。今回も最後まで前向きで活発な議論が交わされた。

前段は、福永雅文氏の著書「営業で勝つ!ランチェスター戦略」の内容についてマインドマップを用いて説明し、その後、ランチェスター戦略の適用可能性について討議を行った。

ランチェスター戦略とは、企業の営業・販売競争に勝ち残るための理論と実務の体系で、日本で生まれた競争戦略である。とても分かりやすく、実務的で使い易いので、営業パーソンのビジネススキルとして特に有効である。判断基準として市場シェアを用い、競争地位別の戦い方を指導原理としており、弱者の戦略と強者の戦略に分類する。強者とは市場シェア1位の企業を指し、弱者とは市場シェア2位以下のすべての企業を意味する。戦略は、市場単位や競合局面ごとに策定されるが、1位以外はすべて弱者となるため、迷ったら弱者の戦略をとるべきであろう。

弱者の基本戦略は、差別化戦略と一点集中主義である。つまり、武器効率を高めることで他社の質を相対的に上回り、他社の量を部分的に上回ることが要求されるため、一騎打ち戦、局地戦や接近戦等が基本となる。強者の基本戦略はミート戦略である。つまり、弱者の差別化戦略を封じ込め、同質化競争に持ち込めば兵力数で勝敗が決まるため、誘導戦、確立戦、広域戦、遠隔戦や総合主義が基本となる。

弱者と強者は、経営規模ではなく市場シェアを判断基準とし、商品、地域、販売経路、客層や顧客競合局面等ごとに市場区分を行う。仮に年商数百億円の企業の場合でも、その市場シェアが2位以下の場合には弱者の戦略を、逆に年商数十億の企業でも市場シェアが1位であれば強者の戦略をとることになる。市場細分化の方法等によっては、弱者及び強者のいずれの戦略も取り得ることを経営幹部等のビジネスパーソンは、しっかり肝に銘じておくべきであろう。

後半のテーマは「東日本大震災の影響」であった。

顕在化してきた震災の日本経済への影響及び今後想定される九州経済(各業界など)への波及並びに中小・中堅企業がとるべき経営戦略・適応方法等について、マインドマップを用いて説明した。現在の日本は、「現役世代の減少」と「高齢者の激増」による内需低迷に苦しんでおり、政治の機能停止、公務員・公益法人等の特殊法人や公務員の問題、エネルギー不足問題、モラトリアムによる不良債権の合法的隠蔽、国と地方で合わせて1300兆円まで膨れ上がった借金と低金利政策の限界など、日本経済は大きくバランスを崩してしまっている。

昨夜、管総理大臣は中部電力に対して浜岡原発の全面停止を要請した。管総理は記者会見で、浜岡原発が活断層の真上にあること、今後30年以内にマグニチュード8クラスの東海地震が起こる確率が80%以上であること、仮に原発事故が起きた場合には東名高速や東海新幹線等の日本の大動脈が完全に寸断され、偏西風の影響で東京をはじめ関東地区がまともに放射能汚染を受ける可能性が高いことなど日本経済等に与える影響が致命的であることを要請理由として説明していたが、やむ得ない決断だったと思う。それよりも、それほど深刻なリスクを、これまで放置されてきたこと事態が日本にとって大問題ではなかろうか。また、これにより中部電力から九州電力に対する送電がストップすることが見込まれ、今後の玄海原発の動向も不透明になってきた。原発依存度が高い九州経済が大きな影響を受けることは必至の状況であり、対岸の火事ではなく、今そこにある危機であることを肝に銘じなければならない。

福島原発事故をきっかけに、安全より利益優先で推進されてきた原発開発の問題点や最も安価としていた原子力発電コストの想定のウソが浮き彫りとなってきた。利権優先で政治的に隠蔽されてきた原発に関わる産官民の癒着構造が明らかにされ、国家的に推進してきた高速増殖炉もんじゅやプルサーマル計画の危険性についても、国民によって真意を問われることになるだろう。明治維新や第二次世界大戦後に匹敵するパラダイム転換が必要なのは間違いないが、今の日本の政治にそれを期待することは決してできない。

この記事は 2011年 5 月 7日(土曜日) に投稿されました。
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