~変革の時~
経済環境について考える
本日、経済アナリスト藤原直哉氏のセミナーに参加した。講演テーマは、「世界と日本で今起こっていること」であった。
世界経済の不安定性が増している。ユーロ危機もエンドゲームに入り、アメリカ経済の先行きも全く不透明だ。中東は、一触即発の危機状態にあり、ホルズム海峡封鎖ともなれば原油の大暴騰は避けられない。我が国は原発停止の影響と相まって、このままでは貿易赤字の体質が定着し、いずれ経常収支も赤字となっていくかもしれない。日本の国債発行残高は1千兆円とそろそろ臨界点のため新規の国債発行は難しくなり、緊縮財政による舵取りを強いられるだろう。当然、国債暴落は不可避となり、激しいインフレとなるのは必然だ。個人も企業も、今そこにある危機、つまり不景気でインフレを前提とした対策が重要であることに気づかなければならない。
現在の経済システムは制度疲労を起こし、既に機能しなくなっているため、新しい国の仕組みや産業創りが日本再生の鍵となってくるだろう。日本人の特性や強みを生かした分野で世界的な競争優位を構築することでした我が国の存続の道はなく、例えば、農業、再生可能エネルギーや医療などの分野でどんどんイノベーションや雇用が発生するような社会に変革しなければならない。そのためには、既存の規制や寄生はすべて撤廃し、民間企業が積極的に参入していく環境整備が緊急の課題である。また、大量消費を美徳とするような価値観は早急に是正し、やりがい、生きがいなど幸福感を重視した哲学的な生き方を目指さなければならない。しかし、今の日本の民主党や自民党の官僚政治では到底できないだろうから、国債暴落などの切羽詰まった事態がくることを、過去の歴史的に見ても間違いなく大きく成長できる機会であると前向きに捉え、その時々の状況に適切に対応できるよう日々努力していくことが今できる唯一の対応策ではなかろうか。