~変革の時~
非上場株式等の評価について考える
本日17時より、某金融機関と共同で事例研究会を実施した。
今回のテーマは、「非上場株式等の評価」であった。
弊社では、事業承継、M&A、バイアウトや組織再編等を行う際に、非上場会社の株価算定を頻繁に行っている。各金融機関とは情報交換を兼ねて、毎月数回は勉強会を開催している。
株価の算定方法には、収益方式、純資産方式、比準方式及び国税庁方式がある。M&A等の際には、収益方式のうち、DCF方式を加味することが多いが、同族関係者間の取引では、税務リスク回避のために国税庁方式が採用されるケースがほとんどである。
DCF方式は、フリー・キャッシュ・フローを基に算定するが、営業利益ベースで算定する方法とキャッシュ・フロー計算書を用いる場合などがある。また、割引率はWACCにより算定することが多いが、営業利益等を含め多くの仮説を基に判断算定していくため、決算書や事業計画・内部統制等の精度の低い中小企業において採用しずらい側面は否定できない。
国税庁方式には、純資産価額方式、類似業種比準価額方式、純資産価額と類似業種比準価額の併用方式、配当還元価額方式などがある。採用される算定方式により評価額が大きく異なるため、事業承継や相続対策が必要な企業では常に意識して対応しなければならない。
評価方式は、取得後の議決権比率や会社規模(大会社・中会社・小会社)により異なるので、企業防衛の観点から、自社がどの区分に該当し、どの評価方式が採用されるのか、それが評価上有利なのかどうかを判断し、適切な対策を講じる必要があるものと考える。
株価評価に興味がある方は、平成21年2月に中小企業庁が公表した「経営承継法における非上場株式等評価ガイドライン」をご参照下さい。