~変革の時~ 
契約書について考える

本日18時より、W塾勉強会に参加した。

W塾はS社代表者のもとに募った若手経営者の勉強会で、数年前より2月に1回ペースで実施されており、筆者も世話人として参画している。

今回の発表は、本年4月に独立開業した弁護士S氏が行った。同氏はこれまで地元法律事務所で主に倒産事案を中心に携わってきており、私も過去において関与先の民事再生事案でお世話になったことがある。

まず、S氏は契約書作成上の留意点について丁寧に説明され、実際の契約書を例にとって、その問題点について討議を行う形式をとった。契約とは、当事者間の意思表示の合致により成立する。従って、書面でなくても契約は成立するが、口約束では内容が曖昧であり、そもそも契約が成立したかも不明確であるので、特にビジネス上においては、証拠として契約書の作成は重要となる。そういう意味では契約書以外でも、FAXやメールのやりとり、請求書、注文書、企画書、提案書、議事録、日報、伝票やメモなども重要な証拠となるので、契約の証拠能力を高めるために体系的に保存していくことが肝要であろう。

契約書は、通常、署名又は記名捺印により締結されたとみることが多い。この場合、実印か認印で法的な差異はない。しかし、実印は、名義人の印章と契約書の印影が一致すると名義人の意思に基づくものと立証されるので、証拠能力が高く、反証の必要がないことから、重要な契約は一般的に実印によりなされる。また、契約に当たっては、契約書に共通する基本的要素や想定されるリスクに対する対応などもれ易いので特に留意しなければならない。筆者も業務上、契約書を検討する機会や関与先から契約に関するトラブルの相談を受けることが非常に多いので大変参考になった。

次にS氏は、これまで関与した倒産事件の事例を複数挙げ、その問題点や原因などについて考察した。これらに共通して言えるのが、モニタリング等の内部統制など企業防衛に関する意識が希薄であったことだ。会社を継続させ社会に貢献し続けるのが経営者の使命であるならば、不測の事態に対する備えを常に意識して行動しなければならない。また、どんなに外部環境が悪化しても存続できる企業体質及び内部統制の仕組みを構築していくことが、経営者における最も重要な責務だと改めて思った。

この記事は 2009年 12 月 15日(火曜日) に投稿されました。
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