~変革の時~
世界経済と日本経済について考える
本日、経済アナリスト藤原直哉氏のセミナーに参加した。
講演テーマは、「世界と日本で今起こっていること」であった。
最近、景気回復基調の楽観的なマスコミ報道が続いていたが、ギリシャ危機を皮切りにPIIGS(ポルトガル・イタリア・アイルランド・ギリシャ・スペイン)の財政危機が囁かれ、ユーロ圏全体の信用が揺らいでいる。緊急避難的に円が買われ、急激な円高と株安が同時に進行した。リーマンショック・ドバイショックなどに続き、世界経済全体がデリバティブ等による痛手から回復していないことが明らかになった形だ。
著しい経済成長を続け、頼みの綱である中国も不動産バブルの様相を呈し、農村部との大きな経済格差の問題も顕在化してきた。また、13億人以上の人口を抱え、輸入なくして経済が成立できず、米国等に対する輸出に支えられている。仮に現在の安過ぎる元の大幅な引き上げが行われた場合には、一転して経済危機に陥る可能性が高い。今、世界的に国家破綻や通貨危機が相次いで起きようとしている。日本経済の抜本的な構造転換が急務であることは間違いない。
現在の民主党政権下、小沢幹事長や鳩山総理問題による政治不信、普天間基地の移転など問題が相次ぎ、今夏の参議院選の行方も非常に不透明である。不安定な経済環境では政治の強いリーダーシップが求められるが、現政府が世界の大きな潮流に対して、果たして適切な対応ができるだろうか。政治力による景気回復のみに我が国の将来を委ねることは決してできない状況だ。
顕在化してきた金融危機、通貨危機など不確実な世界経済の中、企業が存続し続けるためには、環境悪化に適応できる柔軟さ、筋肉質の財務体質及び継続的なイノベーションによる付加価値の持続的な競争力等が求められている。唯一確かなことは、行動を選択しない受動的な企業に明るい未来はないことだろう。