~変革の時~
経済環境について考える

本日、経済アナリスト藤原直哉氏のセミナーに参加した。講演テーマは、「世界と日本で今起こっていること」であった。

野田政権が発足して以来、内閣の支持率低下が止まらない。国民は半ば諦めムードで、我が国の政治では重要なことは何も決まらない無政府状態となっている。公務員問題、東日本の復興対策、原発問題、普天間基地の問題、TPP参加問題、年金問題、医療費問題や財政再建問題などすぐに取り組まないと手遅れになる難題が山積しているが、政治が機能停止に陥っているため、日本の国家債務危機が現実のものになろうとしている。黙って死を待っている場合ではない。経済環境の激動を見据えて適切な行動を選択し、生き残りを賭けて戦わなければならない。

グローバル化により世界経済は一体となっている。ギリシャショックの影響はユーロ圏三番目の経済規模のイタリアに飛び火しデフォルトの危機が囁かれ、イタリア国債の金利は7%を超え、危険的水準に突入してしまった。金融機関への影響は必死で、ジャック・アタリ氏の言う最悪のシナリオが現実のものとなってきた。

一方で日本の円高は止まらない。政府と日銀は先月31日に外国為替市場で8兆円もの円売り・ドル買い介入を行ったようだが、効果は限定的で既に円高基調に戻っている。ユーロやアメリカ経済の危機的状況からすれば相対的に円高になるのはもはや止めることができないことを立証した形だ。経営者などのビジネスパーソンは、更なる円高進行を前提に経営判断を行っていなければ、致命的な状態を招きかねない。

また、大王製紙の前会長による巨額借入問題やオリンパスの損失隠し問題が起こり、日本の証券市場に激震が走っている。両者とも管理銘柄となり、上場廃止の可能性が高くなってきた。同じような損失隠しが他社にも飛び火するような事態ともなれば、日本の証券市場の信用問題まで発展し、株価の大暴落、金融機関などに巨額の評価損の発生による決算への影響は避けられなくなる。曖昧さをよしとする日本型経営の終焉を象徴するような事件のような気がしてならない。これからの経営者は、正しい考え方や行動、つまり、原理・原則に沿った経営を行っていかなければ、企業継続が困難な時代に突入していることを肝に銘じなければならないだろう。

この記事は 2011年 11 月 10日(木曜日) に投稿されました。
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