~変革の時~
YCAビジネススクールⅢ 第10回
本日10時より、YCAビジネススクールⅢが開催された。
前段における経営戦略等の発表については、最近、大手監査法人より独立した公認会計士M氏が行い、最後まで活発な議論が展開された。
M氏は、監査実務のほか、企業再生やJ-SOXを前提とした内部統制などのコンサルティング経験が豊富で、弊社もいくつかの再生案件を一緒に取り組んだことがある。当時、同氏は対象会社の根底にある問題点を指摘し、様々な提案などを行った。大変的確であったことを記憶している。
今回、M氏は独立開業に当って、自己分析と自己目標の設定を行った。SWOT分析により、自身の強みと弱みを解析し、市場の機会に対してどのように対応していくかについて発表した。強みを生かして、いかに事業を軌道に乗せていくかが課題だ。新規事業で成功するためには、当面、柔軟性や迅速性を最も重視して、早期に実績と信用を積み重ねていくことが肝要であろう。
後段のテーマは、前回に引き続き「マーケティング」についてであった。
中小企業においても、マーケティングミックスの開発・実行は不可欠であり、マーケティング目標を達成するために、標的市場に対し投入するマーケティング要素(4P)を開発し、実際に市場に投入していかなければならない。4Pとは、製品(Product)、価格(Price)、チャネル・物流(Place)、プロモーション(Promotion)のことである。
企業が競争市場で持続的な競争優位を維持するためには、市場を適切に細分化し、自社の強みでお客様の問題や課題を解決することを目的としなければならない。特に中小企業が今日の厳しい競争環境で戦って生存していくには、きちんと市場・製品等を細分化して、事業領域(ドメイン)、つまりポジショニングを強く意識する必要があるため、差別化戦略が基本となる。同じ土俵で大企業を模倣してみても長期的に成長し続けるのは困難であろう。
そこで、経営者は現場に目を向け、現場の声を聞き、現場を基点としたマーケティングリサーチやモニタリングを実施する必要がある。大企業と比較して中小企業の唯一の強みは、経営者と従業員や現場の距離が近く、問題や課題に迅速・柔軟に対応できることではないだろうか。