~変革の時~ 
YCAビジネススクールⅡ 第21回

本日10時より、YCAビジネススクールⅡが開催された。
前段における経営戦略等の発表については、A社執行役員のM氏が行った。

A社グループは、数社からなる年商百数十億円の優良な中堅企業である。外部環境の変化等に対するリスクヘッジのため、これまで積極的に新規事業開発やM&A戦略により無関連多角化を行ってきた。数年前より、従来の管理運営方法におけるグループ経営では、様々な業務に支障が生じ始めたことを受け、M氏が中心となって大規模な経営改革を断行した。

M氏は、同社グループの問題点を洗い出した上で、事業承継問題の解決やマネジメント改革及び組織改革を実現するため、持株会社化を軸とした企業組織再編、新社屋移転による物理的統合、本格的なグループ経営への移行及び事業会社の運営方法の見直し・機能の明確化など各種アクションプランを策定実行した。併せてグループにおける経営理念の再確認と全社へ浸透を図り、企業風土の変革にも取り組んだ。

今回の発表でM氏は、(1)問題点の抽出 (2)あるべき姿 (3)そのギャップを埋めるための経営課題と言うように、経営改善のセオリー通り分かり易く説明を行った。実行プランについては、予め想定される問題点や障壁をピックアップした上で、従業員を含めた各種利害関係者の合意形成やキャリアマネジメントなど、人事戦略を強く意識した現実的なものであった。M氏の全体を俯瞰する能力、卓越した知恵やプレゼン能力は素晴らしく、経営改善を主たる業務としている筆者においても大変参考になった。

後段のテーマは、「生産管理」についてであった。

生産管理は、生産(設計・調達・作業)をQ(Quality:品質)、C(Cost:原価)、D(Delivery:数量及び納期)の観点から管理するものである。つまり、所定の品質・原価・数量及び納期に関する最適化を図るため、ヒト・モノ・カネ・情報を駆使して、需要予測、生産計画、生産実施、生産統制を行うことであり、その運営にはP(計画)・D(実施)・S(統制)の管理サイクルの適正な実施が重要となる。製造業以外においても、QCDのフレームワーク活用は大変効果的だ。ただ、QCDはそれぞれがトレードオフの関係にあるため、常にバランスを意識して管理しなければならない。そこで、特にD(Delivery:数量及び納期)を強く意識して管理することで、様々なビジネスシーンにおいても、その効果を最大化できることが多いので、積極的に活用してほしい。

また、ザ・ゴール(エリヤフ・ゴールドラッド著)で有名になった制約条件の理論(TOC)も、大変有効な思考である。これは、企業組織の一部から企業全体までを改善するための概念と方法であり、全体最適を指向する方法論である。TOCの考え方では、(1)スループットの増大 (2)在庫の減少 (3)業務費用の削減の優先順位で改善を行っていく。スループットとは、売上高から真の変動費を引いたものである。真の変動費は多くの場合、直接材料費を指す。スループットを最大化するために、ボトルネックを解消することが最優先される。

ボトルネック工程への対処方法としては、(1)ボトルネック(制約条件)を発見する (2)ボトルネックの生産能力を徹底的に活用する (3)ボトルネック以外の工程をボトルネックに従属させる (4)ボトルネックの能力を向上させる (5)惰性に注意しながら繰り返し、全体のスループットを増大させるといった手順で行う。
特に経営資源の乏しい中小企業では、経営者にその機能のほとんど集中しているため、経営者自身がボトルネックになっていることが多い。このようなケースでは、TOCを用いて、上記対処方法を意識しながら改善を行うことで飛躍的に生産性が高まり、併せて経営者以外に任せられる経営機能は、積極的に委譲していくことで、組織として成長発展していけるものだと思った。

この記事は 2009年 12 月 12日(土曜日) に投稿されました。
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