~変革の時~
金融機関共催事例研究会

本日17時より、某金融機関と共同で事例研究会を実施した。
今回のテーマは、前半は事業承継における再編事例について討議を、後半は「非上場株式等の評価上のポイント」について解説を行った。

同金融機関は、会社の事業承継・経営合理化などの問題・課題解決について積極的に提案を行っており、当研究会では情報交換を兼ねて、様々な事案や提案について活発な議論を重ねている。

まず、実際に行った持株会社化による事業承継事例を用いて、その再編の目的や課題、想定されるリスク等についての確認を行った。弊社では、複数の会社によりグループ経営を行っている企業に、積極的に組織再編の提案を行っている。実際のグループ企業が形成された経緯を見ていくと、節税目的の色彩が強いケースが数多く見受けられる。それでも右肩上がりの経済であれば、企業存続に問題や支障が生じなかったかもしれない。しかしリーマンショク以降、縮小を続ける我が国のデフレ経済の下では、確実に企業存続を図るためには、付加価値の継続的な創造、競争優位の明確化と経営資源の集中や経営の効率化など、グループ企業においても、全体最適を志向した戦略色の強い組織再編が求められている。

納税を躊躇して、節税を行っている場合ではないのだ。現在のような激変の時代においては、経営者は、柔軟かつ迅速に環境適応できる組織の構築及び税引き後利益の継続的計上による財務体質強固を経営の最優先課題すべきである。今こそ企業は社会貢献の見地から、付加価値のある事業と雇用の継続を最優先し、グループを含む事業形態や内部統制等の最適化・簡便化、後継者教育や関係者の利害調整などを重視すべきでなかろうか。

後半は、前回に引続き非上場株式等の評価上のポイントであった。今回は国税庁方式による非上場株式等の評価について解説を行った。税務上における非上場株式等の評価では、その取得の態様に応じて評価方法が異なってくることや、株式移転や株式交換等を実施した場合における法人税等の42%控除の考え方や実務上の管理方法等について、具体的に説明を行った。

個人対個人の取引の場合において、取得後の議決権比率が相対的に低いときは、配当還元価額方式がとれるが、取引の当事者に法人が入るケース(個人対法人、法人対個人、法人対法人)では、原則として当該方式は採用できない。このようなケースでは、法人側に受贈益課税、寄付金課税及び役員賞与課税等が、個人側に給与課税、一時所得課税、及び配当課税等が、その他の同族株主に贈与税の課税リスクが生ずることになり、必然的に法人税法上の時価(法人税基本通達9-1-13)を加味しなければならないことになる。そのため、実際の株価算定では、税務リスク回避の観点から、法人税基本通達9-1-14における小会社方式を採用することが多いのである。

この記事は 2010年 6 月 23日(水曜日) に投稿されました。
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