~変革の時~
YCAビジネススクールⅢ 第20回
本日10時より、YCAビジネススクールⅢが開催された。
前段における経営戦略等の発表については、経営コンサルタントの藤屋氏が行った。藤屋氏とは弊社を立ち上げる時から交流があり、弊社主催の勉強会では、戦略的な視点でいつも的確なアドバイスや指摘をいただいている。
今回の発表で藤屋氏は、経営コンサルタントとしてのこれまでの経緯、現在の状況およびこれからの経営戦略について、ドラッカーの経営理論を交え具体的に説明した。「ドラッカー理論を誰よりも分かりやすく」をモットーに幅広く事業展開されており、同氏の一冊目の著書「図解で学ぶドラッカー入門」は、昨年5月30日に発売され、現在、61,000冊刷のベストセラーとなっている。なお、新著「20代から身に着けたいドラッカーの思考法」については発売後僅か3ヶ月で66,000部と10万部を超えていきそうな勢いである。20代の若い方にも読み易いよう難しい専門用語はほとんど用いず、これまでにも増してドラッカー思考を巧い例えを用いて分かり易く解説している。
藤屋氏の事業展開は、ターゲットマーケティングが徹底されており、出版不況と言われる同業界でも、ポジショニングと競争優位を明確にし、戦略的に展開すれば必然的に結果が出ることを証明した形だ。今後も厳しい経済環境が継続することが見込まれているが、こういう時こそ環境変化を好機と捉え、個人や組織も前向きに変革していくべきであろう。
後段は、今後の経済見通しと中小・中堅企業がとるべき経営戦略について、活発な討議を行った。
現在、世界的な通貨安競争を背景に円高が進行している。更に一層円高が進んだ場合には、日本企業の多くは環境適応の観点から、生産の海外移転を進めるのは必至だ。また、日本の法人税等の実効税率と急激に国際化を進めている韓国と比較すると、15%以上の開きがある。イノベーションを図るための研究開発力等を考慮すると、グローバル経済で競争するにはきわめて不利であるのは言うまでもない。
資本主義社会においては、企業が持続的競争力をもって成長していかなければ、国民経済は決して豊かにはなれない。長年、実質的な社会主義体制を続けてきた我が国の政治は、経済感覚が欠落いるとしか思えない。高い税負担を嫌って日本企業の多くが海外に本社を移転するような事態になれば、雇用環境も更に悪化して国力そのものが衰退していくに違いない。一方、世界経済を牽引する中国も、さまざまな国内問題を抱え、持続的に経済発展する保障はなく、きわめて不安定な状況であることを認識しておかなければならない。
このような不安定な経済期においては、いかに環境適応できるかが鍵であり、身体も精神も共に健康であることを最も重視し常に成長志向で努力し続けなければ、不況の波に全てがあっという間に飲みこまれてしまうことを肝に銘じておくべきであろう。