~変革の時~
組織戦略について考える
本日18時より、W塾勉強会に参加した。
W塾はS社代表者のもとに募った若手経営者の勉強会で、数年前より2月に1回ペースで実施されており、筆者も世話人として参画している。
今回の発表は、投資用アパートを建築販売するA社代表者のF氏が行った。
不動産業界にとって極めて厳しい外部環境下で同業他社が次々と倒産していく中、A社は、独自の経営戦略と発想により、設立後わずか4年目で年商30億円を超え、今もなお急成長を続けている。環境適応の観点から、早々と全国展開に乗り出し、東京をはじめ6拠点に事務所を構え、高いモチベーションの基、若手中心の組織を見事に統率している。
今回の発表でF氏は、同社が実践しているiPhoneによるグループウェア活用の組織戦略と、ウェブを活用したマーケティング戦略について、詳しく解説を行った。中小企業の限られた経営資源でも知恵と熱意があれば、大手と十分に戦えることを証明している。これまでのマネジメントの定石を覆すような戦略や戦術には目を見張るものがあり、今後のA社の活躍を注視していきたい。
不動産業界においては、在庫している販売用不動産の価額変動は、市場の需給関係以外の要素として、投機による部分が大きいのが特徴だ。また、借入れによるレバレッジを効かせるため、相対的に債務過多となりやすい。そこで、自助努力ではコントロールできない2つの外部環境(投機要素・金融機関等の融資姿勢)の変化を常に意識して経営しなければならないのである。そのため、例え相場が3割程度下落し、金融機関が回収姿勢に切り替わったとしても資金ショートしない金額を、在庫や短期借入金の上限額として設定するなどある程度のバッファを持たせた上で、在庫回転率、交差比率や鮮度管理などを併せて保守的な計数管理を行う必要があろう。A社では、これらの基本原則を強く意識して経営されており、何が起こるかわからない現在の経済情勢でも、きっと生き残って発展し続けるに違いない。
F氏の発表を聴いて、どんなに厳しい環境下でもきちんと戦略的に経営すれば、継続的に成長発展することが確信できた。弊社も負けないよう突出した実力と高いモチベーションの組織に変革しなければとあらためて思った。