復興特別所得税の創設
商工会議所NEWSの平成24年7月号税務Q&Aに「復興特別所得税の創設」が掲載されましたのでご紹介します。
Q 「復興特別所得税」が創設されたそうですが、その概要を教えてください。
A 東日本大震災の復興に充てるための財源として、昨年12月2日に復興特別所得税が創設され、法律が公布・施行されました。この改正により個人については平成25年から25年間に渡って基準所得税額の2.1%相当額が増税されることになりました。なお、当面の所得税の源泉徴収における影響として以下のようなものがあります。
1.所得税の源泉徴収義務者
所得税の源泉徴収義務者は、平成25年1月1日から平成49年12月31日までの間に生ずる所得について源泉所得税の徴収をする場合には、復興特別所得税を併せて徴収し、源泉所得税と併せて納付することとされました。
2. 復興特別所得税の額
復興特別所得税の額は源泉徴収すべき所得税額の額の2.1%相当額であり、実務上は支払金額等に合計税率(=所得税率(%)×102.1%)を乗じる方法で通常の所得税と復興特別所得税とを分けずに計算します。復興特別所得税を併せた合計税率は、所得税率が5%なら5.105%、10%なら10.21%となります。
3.給与所得の源泉徴収
平成25年分以後の給与等で2.1%の復興特別所得税を織り込んで作られている給与所得の源泉徴収税額表及び月額表の甲欄を適用する給与等に対する税額の電算機計算の特例については既に用意されています。この税額表等に基づいて、所得税の本税と復興特別所得税の合計額を徴収し、1枚の徴収高計算書で納付、年末調整も所得税と復興特別所得税の合計額で行うことになります。なお、給与所得の源泉徴収票など法定調書については復興特別所得税を区分せず合計額を記載するとされています。
4.報酬等の源泉徴収
通常の法人において給与所得以外で源泉徴収義務が発生するケースとしては、税理士、司法書士等の個人に対する報酬や講演料、原稿料などがあります。平成25年以降は、これらの源泉徴収税額(合計税額)は、同一人物に対する1回の支払金額が100万円以下の場合10.21%(=10%×102.1%)、100万円超える場合の超える部分は20.42%(=20%×102.1%)となります。