~変革の時~
経済環境について考える

本日、経済アナリスト藤原直哉氏のセミナーに参加した。講演テーマは、「世界と日本で今起こっていること」であった。

民主党は、公務員改革、少子高齢化対策、景気対策や財政改革等を旗印に政権を取ったが、当初の勢いとは裏腹に早くも過去の自民党政治に舞い戻って、公的債務が対GDP比で200%になっているにもかかわらず、安易に次世代への借金の付回しを行おうとしている。消費税や相続税の増税を先行させて解決を図ろうと考えているようだが、現状の経済環境を鑑みると中期的に景気が回復する見込みは乏しいため、実際に抜本的な解決を図るためには、保有資産と相殺による負債の圧縮とプラマリーバランスをとるために徹底的な歳出削減が不可欠であろう。また、特別会計と一般会計の垣根を失くした改革、公務員や公益法人等の改革、年金や社会保険改革、地方への思い切った権限委譲や教育改革などが必ず必要であり、こういった再建計画や具体的なアクションプラン、関係機関等との利害調整の見通しなど再建の目処を国民に分かり易く説明した上で、増税議論を進めなければ国民が納得するはずはない。このままでは民主党が、昨夏の参議員選や名古屋地方選同様、統一地方選、解散総選挙で大敗するのは明らかであり、我が国の政治は本格的な混迷の時代に入ることになりそうだ。

昨日、民主党の比例当選16人が会派離脱を表明した。彼らが民主党の法案に反対した場合、懲罰の対象となり離党になる可能性が高く、更に他にも民主党脱退が続き解散するしかなくなるかもしれない。このままでは予算関連法案、特に赤字国債発行法案も成立しない可能性が高くなってきた。そうなると近い将来資金ショートするため、保有資産のリストラと歳出削減は待ったなしの状況となるであろう。再度、国債格付けの引下げ、長期金利の上昇、株価低迷など経済の大混乱は必死であるが、これ以上次世代に放棄できない借金を残すことは許されないから、これを最大の機会として、政府が不退転の決意で前述のような抜本的な財政改革を断行すれば、おそらく消費税の大増税に対しても反対する者はそれ程多くはならないのではないだろうか。

一方でアフリカで起きた革命騒ぎが世界経済に暗い影を落としている。マスコミ規制していた国において、ウィキリークスが事実を暴露したのをきっかけにデモが世界中に拡大している。チュニジア、エジプト、イエメン、リビア、バーレーン、イランなどとデモの範囲が次第に拡大しており、リビアでは、治安部隊が空爆まで行うなど国際的にも非難が高まってきている。これを受けて原油価格も急騰し、持ち直しつつあった株式市場にも大きな影響を及ぼしている。デモが、世界経済を牽引している中国やインドなどの新興国に本格的に波及し、大混乱になった場合には、世界大恐慌に突入していくのは必死の状況だ。このような新興国では、失業と資源高による物価高などにより貧富の生活格差が拡大しており、さらに政治や官僚の腐敗等の暴露と相まって、国民の不満が爆発寸前まできているため、今後の動向には特に注意が必要だ。

これから50年間で世界の人口は約百億人になる見通しであるが、我が国は少子高齢化に伴う人口減少により縮小する経済に悩まされている。今後、経済発展著しい新興国の生活水準の向上による資源不足、特にエネルギー不足が深刻となることは明らかであり、このような著しい経済環境の変化をいかに機会として捉えて適応できるかが、これから日本経済復興の鍵になるのは間違いないだろう。

この記事は 2011年 2 月 18日(金曜日) に投稿されました。
登録カテゴリー:変革の時(代表者ブログ).
RSS 2.0 Both comments and pings are currently closed.

Comments are closed.

カレンダー

2011 年 2 月
« 1 月   3 月 »
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728  

最近の投稿

カテゴリー