~変革の時~
YCAビジネススクールⅢ 第27回

本日10時より、YCAビジネススクールⅢが開催された。

前段における経営戦略等の発表については、経営コンサルタントの藤屋氏が「ドラッカーの処方せん ~事例でわかる業績アップの着眼点~」をテーマとして行った。藤屋氏とは弊社を立ち上げる時から交流があり、弊社主催の勉強会では、戦略的な視点でいつも的確なアドバイスや指摘をいただいている。藤屋氏のドッラカー関連の図書がビジネス書としては異例の80万部を超える大ベストセラーとなっており、近い将来100万部を突破するのは確実である。弊社と親しい同氏が全国的に有名になり、筆者もとても誇りに感じている。

藤屋氏は、ドラッカーに基づく業績アップの思考法について次のように説明した。
① 購入の決定権は100%お客様が持っており、適切なマーケティングが必要である。
② 改善・改革しないと市場から追放されるため、継続的なイノベーションが必要となる。
③ 強みがなければライバルと差別化できない。売上があれば必ず強み(差別化の基)がある。
④ お客様の購入理由の数だけの強みがあり、自分たちが気づいていない強みは何かを熟考する必要がある。そのためには、お客様のニーズや決算書の科目等を細分化し、現状を正しく分析すべきである。なお、クレームもなく当り前にできていることが強みであることが多い。
⑤ 業績アップを実現する差別化戦略策定の基本は、チャンスと強みをマッチングさせることである。

次にチャンスと強みのマッチングするための着眼点として以下のように説明された。
① 他社の成功に注目すること、つまり、創造的に模倣すべきである。例えば他社の成功商品をマネすることや、他社で眠っている技術を参考にすることは有効である。
② ニッチに注目すること、すなわち範囲の経営に徹するべきである。そのため、市場や製品等を勝てるまで絞り込み、特定市場のプロになることやコアのノウハウ(技術を含む)を応用すべきである。
③ 市場や商品の意味(機能)に注目し、マーケティング思考そのものを商品化することは有効である。例えば、もう一歩の便利さを追求することや真の購入目的を商品化したり、お客様の支払いに焦点を当てたり、購入を邪魔する要因を取り除いたりすることで業績は向上する。
④ 自社の弱みに注目し、「しかたがない」のあきらめをチャンスに変える。例えば、生産工程の弱み、業界の弱みや市場の弱みをチャンスに変える視点が重要である。
⑤ 成果とコストのアンバランスに注目し、その不釣り合いを是正し収益に変えることができる。例えば、生産的活動、流通、補助的活動や規模のアンバランスをチャンスに変えることに着目すべきである。
⑥ 脅威と思っていることに注目し、変化の本質をチャンスに変えるべきである。例えば少子化、中国の台頭や不況期を補修・体質強化の機会と捉えて前向きに取り組まなければならない。

今回の藤屋氏の話を聴いて、改めて物事の捉え方や考え方次第で結果が全く異なってくることを確信した。筆者自身、常に望ましい結果を強くイメージしながら戦略的に、業務に取り組むことでクライアントや社会等に貢献していかなければならないと強く感銘を受けた。

後半の部のテーマは、「東日本大震災の今後の経済環境に対する影響」であった。

この度、東日本大震災により、被災された皆様方には心よりお見舞い申し上げます。

顕在化してきた震災の日本経済への影響及び今後想定される九州経済(各業界など)への波及並びに中小・中堅企業がとるべき経営戦略・適応方法等について、マインドマップを用いて活発な討議を行った。まず、東日本大震災の概要及び大地震の多発期に突入した根拠と、歴史的にみて近年2回のパラダイム転換(1868年の明治維新と1945年の第二次世界大戦敗戦)が起きていることを解説した。いずれも大地震を起因とする国家の財政悪化がきっかけと言われている点で共通している。

現在の日本は、「現役世代の減少」と「高齢者の激増」による内需低迷に苦しんでおり、政治の機能停止、公益法人等の特殊法人や公務員及び特別会計の問題、エネルギー不足問題、モラトリアルによる不良債権の合法的隠蔽、国と地方で合わせて1300兆円まで膨れ上がった借金と低金利政策の限界など、日本経済は大きくバランスを崩してしまっている。

今回の大震災をきっかけに蓄えられたエネルギーが一気に放出され、これから新たなパラダイム転換が起きていくと考えて間違いないだろう。また、福島原発事故により、利権優先で政治的に隠蔽されてきた原発に関わる産官民の癒着構造が明らかにされ、国家的に推進してきた高速増殖炉もんじゅやプルサーマル計画の危険性についても、国民によって真意を問われることになろう。過去2回のパラダイム転換は、大震災の約20年後に起きているが、現代はIT等の普及により情報の伝達スピードが飛躍的に高まっており、もっと短い期間で新たなパラダイム転換が急激に起こっていくものと思われる。

このような大きく変貌していく経済の転換期においては、いかに迅速かつ的確に環境適応できるかが鍵であり、身体及び精神共に健康であることを最も重視し、常に成長志向で努力し続けなければ、変化の波に全てがあっという間に飲みこまれてしまうことを肝に銘じておくべきであろう。

この記事は 2011年 4 月 16日(土曜日) に投稿されました。
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